昆布(こんぶ)

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 コンブ目コンブ科に分類される褐藻類の海藻で、北海道沿岸部や三陸海岸で生育します。現在市場で見られるもののほとんどは養殖されたものです。同じ褐藻類のワカメが1年草なのに対し、コンブは寿命が2〜3年の多年草で、おもに2年目のものが収穫されます。
 中世から江戸時代初期にかけて、北海道で獲れたコンブは若狭湾の敦賀に船で運ばれ、琵琶湖西岸を通って大津を経由して京都に陸送されていました。そのため、敦賀近辺に加工場が多く、中世には「若狭召昆布」と呼ばれていました。江戸中期以降、北前航路は北海道から日本海・関門海峡を経て大阪に直送されるようになり、昆布の加工場は大阪で多くなりました。 「江戸では海苔屋で昆布が売られ、上方では昆布屋で海苔が売られる」と言われたほどです。
 1908年、東京帝国大学の池田菊苗教授は、干し昆布の成分を分析してグルタミン酸のモノナトリウム塩が旨みのもとであることを突き止めました。鈴木三郎助(1867〜1931)は池田教授から商品化の話をもちかけられ、グルタミン酸ナトリウムの製造法特許を彼と共有して、翌年の1909年に販売を開始しました。この商品名こそがいわずと知れた「味の素」です。
 コンブの旨み成分は主にグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニンなどで、コンブの表面に吹いた白い粉の成分はマンニットと呼ばれる甘み成分です。 味が良いのは周縁部ではなく根もとや中央部の肉厚の部分で、乾燥昆布の等級は根元から105センチが1等、次の105センチが2等……と決まっています。また、昆布の1年ものは旨みのもととなるアミノ酸が少ないため、できるだけ2年目のものを使います。

[料理]
昆布巻き
 乾燥昆布を水で戻し、干し魚を芯にして巻いて醤油で煮たものです。身欠きにしんやイワシ、フナ、ハゼなどが主に芯として使われました。昆布のグルタミン酸と魚のイノシン酸の相乗効果で旨みが増します。地域によって番茶の煮汁で煮たり、味噌で煮たりとさまざまな工夫が施されています。

[加工品]
おぼろ昆布
 おぼろ機で紙状に削ったもの。マコンブと利尻コンブだけを使います。

とろろ昆布
 ―黒とろろ:昆布の表皮の黒い部分を包丁で糸状に削ったもの
 ―白とろろ:白い部分を糸状に削ったもので大衆商品

白板昆布
 黒おぼろを取った残りの白い部分を板状にしたものです。

下地(霜地)
 白おぼろを取った最後に残る部分でバッテラなどに使います。

菓子昆布
 おぼろ昆布やとろろ昆布を取った後の白い芯を砂糖と一緒に煮詰め、花形に成形したものに砂糖をまぶした御菓子です。
 室町時代から祝いの席などで食べられていた敦賀地方の名産物で、松葉昆布、ぎゅうひ昆布などと呼ばれることもあります。

巻きかまぼこ
 九州の各地に見られるかまぼこの一種で、魚のすり身に豆腐など混ぜて昆布で巻き、蒸してつくります。


マコンブ
《学名》 Laminaria japonica 
 羅臼昆布とともにダシ昆布として最高級品で、おもに道南の噴火湾近辺で採取されます。用途はダシ用のほか、おぼろ昆布、とろろ昆布、白板昆布。

ミツイシコンブ
《学名》 Laminaria angustata
 日高昆布という商品名で知られています。北海道南部の太平洋側で採られます。煮ると柔らかくなるため、ダシ用に使われるほか、煮物や昆布巻き、佃煮、おでん種にされます。

リシリコンブ
《学名》 Laminaria ochotensis
 上品な味でおもに京都の懐石料理に使われています。礼文島の香深(かぶか)浜で採れたものが最も評価が高く高価です。用途はダシ用のほか、おぼろ昆布、とろろ昆布、白板昆布など。

オニコンブ
《学名》 Laminaria diabolica
 濃厚な味です。羅臼昆布はオニコンブの一種です。

ナガコンブ
 釧路沿岸で多く採られます。旨み成分が少ないため、ダシ昆布としては低価格で取引されますが、煮ると柔らかく、豚肉にもあうことで、沖縄では極めて人気があります。用途は昆布巻き、佃煮、煮込み、刻み昆布など。

ホソメコンブ
《学名》 Laminaria religiosa
 北海道の日本海側で多く収穫されます。切り口がほかのコンブに比べて白く、組織が柔らかく、名前のとおり細めです。用途はおぼろ昆布、とろろ昆布、佃煮など。


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