軟体動物門の頭足綱、タコ目に属し、世界で250種、日本近海で60種ほどが知られています。たこの漁獲量は北海道が4割以上を占め、兵庫、福島、香川、と続きます。たこつぼ漁や籠漁、底曳き網漁などによって生け捕りにされるのが一般的です。
[栄養]
タコはイカほどではないにせよコレステロールを多く含みます。しかし、イカと同じくタウリンを豊富に含むため、コレステロールを抑え血圧を正常に保つ効果があります。また神経伝達物質のアセチルコリンを含んでおり、神経を休めます。ただしプリン体が多いので通風気味の人は食べる量を加減しましょう。
マダコ
《学名》 Octopus vulgaris 《英名》 common octopus 《中国名》 八脚魚(バージヤオユィ)
三陸・北陸から九州までの岩礁の多い海岸や水深40mまでの岩場に生息します。全長およそ60cmで体重2〜3kg、寿命は約2年。メスは夏季に岩棚や岩礁の下などに産卵します。この卵は海藤花と呼ばれ、酢の物や汁物の具となります。
[主産地・特産地]
瀬戸内海
・播磨灘で取れるまだこは「明石だこ」として知られています。現在は明石港ではなく、淡路島の各港に水揚げされます。(→明石市の魚の棚市場)
・岡山県倉敷市下津井は、昔から明石と並び称されるタコの名産地です。マダコだけでなくイイダコやモダコ(手長ダコ)も漁獲されます。
・ 山口県・柳井市沖に浮かぶ平郡島で取れるマダコは、「周防瀬戸だこ」としてタコ好きな関西人に好まれています。平郡島の蛸壺漁師は蛸壺で捕らえると船の生簀に移して生きたまま持ち帰り、ダンベと呼ばれる木製の箱に入れます。平郡島の漁期は4月20日〜9月20日と11月1日〜3月31日ですが、漁獲のほとんどは夏季です。味は春が最も美味しいとのこと。ふつうあまりたこは生では食べませんが、平郡島では美味しいたこは刺身で食べます。
・ほかにも大分県の姫島、大阪の「いずみだこ」、北九州の「関門海峡だこ」、三重県鳥羽がタコのブランド化をおこなっています。
[旬]
漁期は冬と夏の2回あります。千葉以北の冬だこは11〜12月が最盛期。瀬戸内海・九州では産卵前の6〜7月が旬で、「梅雨ダコ」「麦わらダコ」と呼ばれます。
[俳句]
蛸壺やはかなき夢を夏の月 松尾芭蕉
[料理]
新鮮なものを茹でるときは、まず塩をたっぷりかけてしごき、ぬめりを取り去った後、沸騰した湯の中に頭を上にして入れます。再び沸騰してきたらひっくり返してまた沸騰するまで待ちます。茹ですぎると身が硬くなるので気をつけましょう。茹で上がった身を包丁で削いで肉色が綺麗な白透明であれば成功です。茹ですぎて乳白色になると硬くなっている証拠。刺身や酢の物、マリネにするほか、おでんやたこ焼き、お好み焼きの具として利用します。から揚げや南蛮漬けにしても美味しいです。
まだこの柔らか煮
炭酸水と酒、砂糖、濃口醤油で2時間ほどことこと弱火で煮込みます。 米のとぎ汁で茹でても柔らかくなります。
※なお、2006年7月15日より、大阪「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に隣接する 「ユニバーサル・シティウォーク大阪」内に『大阪たこ焼きミュージアム』が開館しました。興味のある方はお出かけください。
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〈兵庫県漁協〉
明石だこのやわらか煮
《築地魚河岸直送》
明石の真蛸(生)約1.5kg ※処理済 期間限定なし
イイダコ
《学名》 Octopus ocellatus 《英名》 ocellated octopus 《中国名》 飯蛸(ファンシャオ)
体長十数センチの小型のタコで、北海道南部以南から中国大陸までの沿岸部、水深10メートルほどの小石の多い砂泥底に生息しています。名前の由来は冬季に体内に米粒大の卵を300〜400個抱えることから。マダコの場合は小型の卵を十数万個産みます。
[主産地] 瀬戸内海
[旬] 卵をもつ2月〜4月
[俳句]
飯蛸をめでたきものとして厨(くりや) 高野素十
[料理]
いいだこの辛子味噌あえ
ゆでたイイダコをぶつ切りにして酢と味噌、辛子に砂糖を少し加えた辛子酢みそで食べます。
いいだこの砂糖醤油煮
軽くゆでたイイダコに醤油と砂糖を加えて煮込む料理です。
※韓国・釜山ではイイダコの踊り食いが名物料理。
※野村祐三氏の『漁師だけが食べている直伝浜料理
ミズダコ
《学名》 Octopus dofleini 《英名》 Pacific giant octopus 《中国名》 水蛸(シュイシャオ) 《韓国名》 文魚(ムノ)
体長は大きなもので3メートルにもなり、関東以北に生息。主産地は北海道及び三陸海岸です。オスは水っぽく大味で美味しくありませんが、頭部の食感歯が良いという人もいます。
[旬] 5月〜9月
[料理]
生のタコをぶつ切りにして大根と一緒に煮るミズダコの桜煮、足や頭部を細かく切ってゴボウ、ニンジンとともに米の上に乗せてしょうゆ味で炊き上げるタコ飯などがあります。
世界で食べられるタコ
タコはなにも日本人だけが食べているわけではありません。お隣の韓国でも昔から潜水漁業で漁獲しており、最古の記録として738年に干しダコを唐に贈った記録が残っています。韓国では日本とは異なりテナガダコ(落啼―ナクチ―)やミズダコ(ムノ)が好まれます。テナガダコの本場は全羅南道(朝鮮半島南西部)の木浦(もっぽ)で、よくナクチフェと呼ばれる刺身にして食べます。ナクチフェは採ったばかりのテナガダコを塩でもんで表面のぬめりを取り去り、ぶつ切りにしてコチュジャンやごま油をつけて食べます。ほかにもから揚げや串焼き、鍋物、塩辛、干し物などにします。
ヨーロッパでも、ドイツやイギリスなど北側諸国ではタコはほとんど食べられませんが、スペインやイタリアなど地中海沿岸ではタコは好んで食べられます。スペイン語でpulpo(プルポ)、イタリア語でpolpo(ポルポ)、いずれもラテン語のpolypusが語源です。このpolypusは英語でイボを意味するポリープの語源にもなっています。
プルポ・ピカンテ: タコの酢漬け。スペインの小飲み屋バルのメニューとして手軽に食べます。
プルポ・ア・フェリア:煮たタコにニンニクや唐辛子、岩塩、オリーブオイルをかけて食べます。
プルピトス・ア・ラ・アンダルーサ:タコのアンダルシア風。タコの頭の中にニンニクを詰めてオリーブオイルで揚げたものです。