粕漬け
酒かすは清酒を醸造する際に使うもろみを絞ったあとの残りで、米飯と米麹を糖化・発酵させ終わったものです。タンパク質分解酵素やアミラーゼを豊富に含んでいるため、これに魚をつけると酒かす自身の風味が加わるだけでなく、麹菌の分解酵素の働きによって身肉のたんぱく質が分解され、旨みのもとになるアミノ酸が増します。
味噌漬け
味噌は大豆を材料にして米や麦または大豆の麹に塩水を加えて発酵させたものです。ですので、味噌漬けにすると味噌の旨みが加わるとともに、麹菌の消化酵素の働きで魚肉のたんぱく質が分解され、旨み成分のアミノ酸が増加します。理想的には魚を直接つけるのでなく白い紙にいれて、砂糖とみりんで調味した味噌のなかに漬けます。タイやギンダラ、メルルーサなどが使われます。
―西京漬け
サワラやサケなどの魚を西京味噌(米麹を多く用いた甘やかな白味噌)に漬け込んだものです。業者によっては酒や醤油や秘伝の味を加えます。
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糠漬け
糠(ぬか)というのは玄米を精米する際に出る胚芽や種子などの粉のことです。この糠を乳酸発酵させてつくった糠床に漬けることを糠漬けといいます。ナスやキュウリといった野菜を漬けるのが一般的ですが、魚や肉、ゆで卵を糠漬けにしても美味しいです。
石川県白山市の旧美川町地域や金沢市の金石、大野では、魚の糠漬けが江戸時代から盛んで、イワシの小糠漬けは特産品として現在でも金沢や京都に出荷されていますし、享保12(1727年)の租税覚書にはフグの糠漬けについて記録が残っています。美川港はかつて本吉港と呼ばれ、江戸時代に北前船の寄港地として栄えましたので、ニシンなどの塩蔵された魚を糠漬けにして保存したのがもとだと考えられています。
― イワシの小糠漬け
へしこ、またはこんかいわしとも呼ばれる石川の特産物です。頭部を除いたイワシに質量比30〜35%の食塩をまぶして1週間ほど寝かせます。それを水切りして麹と唐辛子を混ぜた糠床に入れ、いしるを加えて半年〜1年熟成させます。
高温多湿の夏季だと乳酸菌が増殖しやすく、発酵がいっそう進みます。食べるときはこれを薄切りにして酢をかける軽く炙って食べます。
―フグの卵巣の糠漬け
ゴマフグやクサフグなどの卵巣を1年間塩漬けにしたあと、水洗いして糠と唐辛子を混ぜた米麹に漬けていしるを加え、さらに1年間熟成させてつくります。そのまま食べると有毒の卵巣が無毒になります。(もちろん製造はシロウトがおこなってはいけません)
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