《学名》 Scomberomorus niphonius 《英名》 Japanese Spanish mackerel 《中国名》 燕魚(イェンユィ)
スズキ目サバ科サワラ属に属する魚です。出世魚の一つで40〜50cmのものをサゴチ(関東)、サゴシ(関西)、50〜60cm以上のものを関西ではヤナギと呼び、それ以上のものがサワラと呼ばれます。
寛政11年(1788年)の『日本山海名産図会』(平瀬補世著)には「魚大なれど腹小に狭し。ゆえに狭腹となづく。サは些少なり」と書かれており、サワラの名が「狭腹」、つまり腹部に膨らみがなくすらっと細長いところに由来していることがわかります。全長1mほどで日本各地の沿岸部に生息し、カタクチイワシやキビナゴなどの小さな魚を食べます。鰆という漢字は中国伝来の漢字ではなく、日本でサワラのために作られた国字です。
[主産地]
瀬戸内海、九州
※ 『日本山海名産図会』には、讃州(香川)で流し網によって捕らえられたとあります。
[旬]
魚へんに春と書くように産卵前の春が旬ですが、立春ごろに外海から瀬戸内に戻ってきたものや、晩春に繁殖期を終えて晩秋に外海に戻ってくる時期の「下り鰆」、駿河湾などで真冬に獲れる身の締まった「寒鰆」が美味しいと言われています。
[料理]
・身肉に水分が多く身くずれしやすい難点がありますが、淡白でくせがなく上品な味です。
・照り焼きや塩焼き、天ぷら、西京焼き、粕漬け、ムニエル、フライなどにされます。新鮮なものは刺身やたたきにされます。中華料理では蒸し料理が主ですが、餃子の具にされることもあります。
・普通の魚は頭部に近いほど美味ですが、サワラは尾に近いほうがおいしいと言われます。
[加工品]
さわらのからすみ
・江戸前期の『本朝食鑑』にはからすみは元来、ぼらの卵巣ではなく鰆の卵巣を塩漬けにしたものとの記述があります。高松城下に藩の製造所があり、製造法は門外不出だったそうです。貝原益軒は『大和本草』(1708年)で「干したさわらの子は酒の肴にぴったりだが、食べ過ぎてはならない」という意味のことを言っています。食べるときは酒に浸して炭火で軽く焼いて薄切りにして食べます。現在でも香川・高松では鰆の卵巣からからすみを作っているところがあります。
ほかにも全長2mにもなるウシサワラ(Scomberomorus sinensis)や味の良いヨコシマサワラ(Scomberomorus koreanus)などの仲間がいます。
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