鰍(かじか)

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《英名》 sculpin    《中国名》 鰍魚(チウユィ),杜父魚(ドゥーフーユィ)

 カサゴ目カジカ亜目に分類される魚です。淡水産、海水産を含め、世界で11科137属が知られ、共通する特徴は大きな胸びれとその前にある前鰓蓋骨の後ろ向きのトゲです。うきぶくろがない底生魚で、水底で小魚や小エビを食べます。
 北海道のかじか汁、北陸のごり料理が有名な、日本で最も美味な魚のひとつです。


ケムシカジカ
《学名》 Hemitripterus villosus
 東北では別名ボッケ。北海道ではトウベツカジカ、マワムキカジカなどと呼ばれます。体長40cmほどで、全身にいぼ状突起が密生してざらざらしているのが特徴です。東北地方からベーリング海にかけて、水深200m未満の海底に暮らしていますが、11月〜12月になると産卵のため浅瀬に移動します。

[旬] 11月〜2月

[主産地・名産地]
  東北地方(宮城県鳴瀬町月浜など)

[料理]
 生のまま酢味噌で和えた「ぬた」、刺身、味噌汁、鍋物、小さなものはから揚げにしても美味です。
 卵はしょうゆ漬けにして食されます。口の中で皮がぷちっと弾けてイクラよりも美味いと言う人もいます。

ぼっけ汁
 宮城県鳴瀬町の郷土料理で、身肉だけでなくアラや胃袋、皮も入れ、大根や長ネギとともに味噌仕立てで煮込んだ料理です。

トゲカジカ(ナベコワシ)
《学名》 Myoxocephalos polyacanthocephalus  《英名》 great sculpin
 別名モカジカ、ヤリカジカなどと呼ばれることもあります。体長40〜50cmで背中のうろこに小さなトゲがあり、尾びれの後縁部が白いのが特徴です。海産種のカジカのなかで最も美味しく、あまりの美味さに空になったなべ底を箸でつつきまわして壊してしまうほど、という意味からナベコワシと呼ばれます。漁師の大好物なので獲れるとほとんど浜で食べられてしまい、市場に回らないとも言われています。

[主産地]
 北海道、東北地方(宮城県鳴瀬町月浜など)。
 海外ではベーリング海やアラスカ湾で獲れます。

[旬] 11月〜2月

[料理]
 身と肝を一緒にあえる「とも和え」、かじか汁(味噌汁)、煮付けなど。


ツマグロカジカ
《学名》 Gymnocanthus herzensteini
 体長30〜40cmの海産種のカジカです。北日本や朝鮮半島沿岸部の浅い海の底に生息します。背びれ、胸びれ、尾びれに黒い横縞があります。

ギスカジカ
《学名》 Myoxocephalos stelleri 《英名》 frog sculpin
 体長40cm前後の海産種のカジカです。日本海北部やベーリング海にの岩礁域に生息します。

カジカ(ごり)
《学名》 Cottus pollux 《英名》japanese sculpin
 体長15cm前後の淡水産・日本固有種です。ゴリ、マゴリ、イシブシ、ゴリモチ、カワオコゼ、ヤマノカミ、カワイシモチなどと呼ばれることがあります。
 かじか漁の方法としては、川の下流に網を仕掛け、上流にある石を動かして魚を追い込む「かじか押し」が有名です。「ごり押し」の語源にもなっています。『日本山海名物図会』(1754)にはゴリ獲りの図が紹介されています。
 北陸のゴリ料理、京都・賀茂川のゴリ汁などが有名で、アユカケとともに日本の淡水魚で最も美味とされます。

[旬] 秋から冬

[名産地]
 北陸

[料理]
 よいダシがとれるので、鍋物に使われることが多いです。ほかにも塩焼きやつみれ汁、てんぷら、炊き込みご飯など。
 ゴリ料理は金沢の冬の味覚を代表する名物料理で、洗いや塩焼き、から揚げのほか、照り焼き、甘露煮、ごり汁、鍋物の具材にされます。

ごり汁
 ゴリを生きたまま酒に入れて沸騰させ、ささがきゴボウを加え、白味噌で調味し、葛粉でとろみをつけます。最後に臭みを除くため、粉山椒をふります。

越川汁
 タケノコや白瓜と一緒に煮る新潟地方の料理です。

アユカケ
《学名》 Cottus kazika
 淡水産のカジカとしては最大種で、体長25cm前後に達します。カマキリ、ゴリ、アラレガコ、ウラジロ、イシブツ、カコブツ、ガコなどと呼ばれることがあります。河口や海で産卵し、孵化した幼魚は成長するにしたがって川をのぼります。
 カジカとともに日本の淡水魚のなかで最も美味とされます。
 
[料理]
 ごり汁(焼いて味噌汁に入れる)や塩焼き、から揚げ、佃煮、ちり鍋、卵とじ、佃煮など。

[名産地]
 福井県の九頭竜川:アラレガコと呼ばれます。

[旬] 初冬

[俳句]
かまきりの 獲物少なき翁かな 蕪村






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